バオバブ

                  Le Petit Prince         小さな王子さま
 

☆ バオバブの木

王子さまがヒツジをほしがったのは理由がありました。
王子さまの星にはバオバブの種があったのです。

バオバブは悪い種で、どの星にもありますが、地中の深いところにうまっており、
目をさますとまたたくまに大きくなり、放っておくとその根は地中をつきとおし、
星をばくはつさせてしまうそうです。


◆バオバブの木とは

星の王子さまを紹介した本やネットでみると、この童話が第二次世界大戦中に作られたことから、当時の世界情勢に例えて解説していますが、サン=テグジュペリはそんな難しい大人の比喩を使わないように思います。

彼は、「子どもの心をもつ大人のための童話」を書いたのです。

「ことそのこと、ものそのものを」理解できる大人の人に書いたのです。
ここに書かれているのは「外の世界」ではなく、「心の世界」を比喩として表しているのです。

「大事なもの]は目に見えないのです。



ずっと王子さまの星のことをみていると、これは自分自身のことを星にたとえて云っているような気がしますよね。







星は「体」、3つの火山の手入れは「食事」「運動」、そして「睡眠」
の健康管理です。

では、その星のうえにある植物の小さな花はなんでしょう。
まず植物は「心」です。

心の中の小さな花は「愛」。

では心の中の怖いバオバブの木はなんでしょう。
それは「欲」です。

別の言葉で言えば「毒」「心の毒」「心の三毒」としか思えません。

でもこれは仏教の教えにあることばですよね。「心の三毒」。
サン=テグジュペリは仏教を知っていたんでしょうかね?
どこかで学んだのかもしれませんね。


◆心の三毒


「心の三毒」の内容をみてみましょう。

「貪(とん)」=むさぼり、のこころです。
「瞋(じん)」=制御できない怒りです。
「痴(ち)」=おろかということです。

人間の欲にはいくつ種類があるんでしょう。
食欲、睡眠欲、性欲、名誉欲、出世欲、権力欲、所有欲、物欲、金銭欲、向上欲…、
数え上げたらきりがないといおうとしましたが、そうでもないようです。

大体10種類前後でしょうか。

種類はそんなところですが、ただ数に限りがない。次から次へと出てきます。

この欲は大きくなると大変なことになります。
バオバブの芽は小さいうちにつまねばなりません。

ただ云えることは、欲望、欲求それ自身は悪いことではない。
この肉体を存続させていくためには、どうしても必要な「欲」があることは確かです。

睡眠欲が悪ければ人類全てが寝不足となり、
食欲がいけないなら人生の大きな楽しみが一つ減ってしまう。
性欲が悪ければ人類は存在してはいけないことになってしまう。

とかくこの世は住みにくい…。(漱石…草枕)
ハハハ…ダジャレで〜す。

だから、欲望が自己の生存を守るという範囲なら、当然に欲望は許されるばかりか、かえって良いこととされる方が多いでしょう。
ただ、自分の欲望・欲求を伸ばしていったとき、
他人のそれとぶつかった場合に、争いが生じ、悪いこととされるのでしょう。

自己実現の欲求も同様です。
要は、度をすぎてはいけないということらしいです。

「バオバブが小さいうちはバラの木と見分けがつかない。」
と王子さまがいっているのは、
自分を伸ばしたいというきもちはよいが、
それが徐々に大きくなり、他人を押しのけてでも自分の欲求を満たしたい、
という気持ちになるのは問題だ、ということでしょうね。



マズローの欲求段階説というのをネットで見つけましたので、ご参考まで。


◆マズローの欲求段階説


1.生理的欲求

食欲とか睡眠欲で人間が生きていくうえで、必要不可欠の欲求のこと。本能的な欲求。

2.安全欲求

生理的欲求が満たされたら、次に自分の身を守ろうとしますよね。これが安全欲求。

3.親和の欲求

生理的欲求、安全欲求が満たされると、家族など自分を暖かく迎えてくれる集団を求めるようになります。
これが親和の欲求。また、愛情を追求することでもあるので、愛情の欲求とも言うらしいです。

4.自我の欲求

愛情の欲求を叶えると、社会の中で仲間として認められたいという欲求が出てきます。
これが自我の欲求。名声、地位、良い車、ブランド品等を身につけたいという欲求です。
ほとんどの結婚数年後の30代サラリーマンはここを目指してがんばって仕事をしているとのことです。

5.自己実現の欲求

自分自身の理想を追求したいと思う欲求です。
より自分自身を向上させ、自分自身を最大化させようと思う欲求です。

だいたいの人間は4.の自我の欲求止まりらしいのですが。
何のために生きているの?とか、何のために仕事をしているの?、何が嬉しいの?と自分自身に問いかけてみると、自分がどこの段階にいるのかだいたい見当がつくそうです。


以上「バオバブ」の木でした。


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